絵本の読み聞かせに年齢制限はなく、何歳まででもOKです。
読み聞かせを小学生以降も続けることで読書習慣が確かなものになり、学力・精神面での成長に役立ちます。
私は図書館司書になりたての頃、小学生にはなるべく児童書の1人読みをすすめていました。
しかし、読み聞かせには何歳まででも続けてほしい多くのメリットがあることが分かり、もっと早く知りたかったです!
これから、小学生にも絵本の読み聞かせがおすすめな理由と、児童書へのスムーズな移行のコツを解説します。
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絵本は何歳まででも読み聞かせOK!小学生以降も続けよう
絵本の読み聞かせを小学生になっても続けることで、読書習慣が身につき、学力面や精神面の向上が期待できます。
文部科学省が平成30年度に行った調査では、小学校高学年まで読み聞かせを続けることで子供の読書率が高まると報告されています。
高学年まで続けることで、子供が本をよく読むようになるんだね!
さらに別の研究では、小学生のころの読書習慣が中学生や高校生になったときの意識や行動にも良い影響を及ぼすことが分かりました。
(前略)過去の段階での読書習慣の有無も、意識・行動等に関する得点に関係している。小学生の段階で本をよく読んでいた中学生、中学生の段階で本をよく読んでいた高校生は、「論理的思考」「意欲・関心」「人間関係」等の面で得点が高い。(後略)
文部科学省 平成28年度「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」
小学生になっても読み聞かせを続けることで、読書が身近なものになり、中学生や高校生になっても良い効果を得られるとは驚きです。
将来、我が子が小学生になっても読み聞かせの時間を作ってあげたいなと思いました♪
私が小学生のころ、毎週金曜日の朝礼前に20分ほど読み聞かせの時間がありました。
地域ボランティアの方に来てもらっていたよ。
高学年でも絵本を読み聞かせしてもらったことが多く、偉人を題材にした絵本や、歴史や伝承を学べる絵本を読んでもらっていた記憶があります。
中でも戦争の様子を描いた絵本の生々しさには、小学生ながらにとても衝撃を受けたことを覚えています。
高学年になると恥ずかしさから親に読み聞かせを頼まなくなったこともあり、私にとっては学校での読み聞かせがひそかな楽しみでした。
授業では教えてくれない大切なことを学んだ良い機会だったなと思います。
絵本は小学生にもおすすめなメリットがたくさん!
小学生になっても絵本を読むことにはたくさんのメリットがあります。
「絵本=幼い子供が読むもの」と決めつけず、親子で一緒に楽しんでみてください♪
私が小学校の図書館司書をしていたころ、6年生でも絵本ばかり借りて読んでいる子は結構いました。
ある時、6年生の男の子に絵本ばかり読む理由を聞いてみたところ「授業の息抜きになるから」と答えてくれました。
他にも「妹や弟との会話になるから」と絵本を読んでいる子もいたよ!
私は、子供が小学生になっても絵本を選ぶのには、その子なりの理由があるのだなと感じました。
また、文字だけで読むと難しい内容も、絵本なら理解しやすいといったメリットもあります。
まずは「絵本」か「児童書」かにこだわらず、子供の好みや読みたい気持ちを尊重してあげることが大切ですね♪
絵本の卒業時期は子供が決めるもの!あせらず見守ろう
子供が絵本から卒業するタイミングは、子供自身に委ねてそっと見守ることが大切です。
子供は成長するにつれて自然と絵本を読まなくなります。
今、子供が絵本を選んでいるということは、子供にとって必要だということです。
親としては年齢に応じた児童書を読んでほしい気持ちもありますが、焦らずに見守りましょう!
ネットには、実際に子供が絵本から卒業した先輩ママたちの体験談が載っていましたよ。
私には3歳の姪っ子がいるのですが、1歳の時に読んでいた絵本にはもう見向きもしません。
成長するにつれて自然と自分に合ったレベルの絵本を選ぶようになるのだと実感しました!
小学生になっても絵本を読み続けることは全く問題ありません。
歴史を学ぶ絵本、人権や性についての絵本など、難しい内容のものは小学生になってからの方がより理解を深められるでしょう。
最近では大人向けの絵本もありますね!
今は絵本ばかり読んでいても心配しすぎず、子供の成長をそっと見守りたいですね♪
寝る前の読み聞かせも何歳までという決まりはない!
寝る前の読み聞かせも、何歳までにやめなければいけないという決まりはありません。
小学生になっても毎日のように寝る前の読み聞かせをせがまれると「1人で寝られないのかな?」と少し心配になりますよね。
しかし、成長するにつれて自然と読み聞かせをする機会は減っていきます。
子供に読み聞かせしてあげられる期間は案外短いものですので、お願いされるうちは何歳でも読み聞かせをしてあげてください♪
寝る前の読み聞かせには、安心感やリラックス効果をもたらしてくれる役割があります。
睡眠について長年研究している「味の素」では、寝る前の読書が睡眠の質を向上させるという研究データを発表しています。
大人でも寝る前に本を読むと心が落ち着くよね!
私は以前から寝付きの悪さに悩まされていたのですが、寝る前に20分ほど読書を始めてからはスムーズに眠れるようになりました。
子供も日々のストレスや、タブレット・ゲームのブルーライトを浴びることによって寝付けなくなっている場合があります。
寝る前の読み聞かせで子供の不安感を取り除き、ぐっすり寝られるようにしてあげたいですね。
寝る前の読み聞かせには心が落ち着く絵本を選ぼう
寝る前の読み聞かせには心が落ち着くような優しい絵本を選びましょう。
私は3歳の姪っ子をお昼寝で寝かしつけるときに「ぐりとぐら」をよく読み聞かせしています。
読み終わるまでにほどよい長さがあり、優しい物語とイラストにほっこりする絵本です。
姪っ子もいつの間にかスヤスヤと寝ているよ♪
反対に、感情を強く揺さぶられる絵本や怖いおはなしは避けるのがベターです。
寝る前の読み聞かせには向いていない絵本もあるため、チェックしておきましょう。
寝る前に怖いおはなしを読むと、嫌な夢を見てしまうことがあります。
また、続きや結末が気になるようなハラハラドキドキする内容も、寝付けなくなるため避けましょう。
寝る前には、起承転結がはっきりした面白い絵本よりも、単調で穏やかな絵本の方が向いています。
寝る前の読み聞かせを効果的に行う方法や、年齢別おすすめ絵本はこちらの記事でくわしくご紹介していますのでぜひお読みください♪
子供が長い本を読めるようになるには大人の手助けが必要
子供が絵本だけでなく、長い本を読めるようになるには大人の手助けが必要です!
絵本は何歳まで読んでも良いとはいえ、小学生になっても絵本しか読まない場合は少し心配になりますよね。
子供に長い本や分厚い本を読んでもらうためには、以下の2つのことを実践してみましょう。
- 読みやすい本から始めて抵抗感をなくす
- 冒頭部分を読み聞かせして興味をもたせる
私が司書をしていたとき、何も言わなくても自分から長い本が読めるようになる子供はほとんどいないと感じました。
つまり、子供が文章量の多い本に慣れるまでは、大人のサポートが必要だということです。
これから、2つのコツについて詳しい内容を解説していきますね。
読みやすい本から始めて子供の抵抗感をなくそう
まずは読みやすい本から始めて、長い文章に慣れさせることが大切です。
図書館などで子供と一緒に読みやすい本を探してみましょう!以下のようなものがおすすめです♪
絵本でも、意外と文章がびっしり書かれているものもあります。
まずは文章量の多い絵本から始めて、子供の反応を見るのもいいかもしれませんね!
児童書にチャレンジするなら、最初は挿絵やイラストが多いものにしましょう。
私は小学1~2年のころ、角野栄子さんの「おばけのアッチ」シリーズが大好きでした。
小学校低学年向けの児童書は、文字が大きく挿絵もたくさん載っていておすすめです♪
TVアニメなどでおなじみのシリーズであれば、すでに登場人物やあらすじが分かっているのでスムーズに読み始められますね。
図鑑や詩集、なぞなぞの本などから始めて「分厚い本」自体に慣れるのもアイデアの1つです!
冒頭部分を読み聞かせして物語への興味を持たせよう
大人が冒頭部分を読み聞かせすることで、続きが読みたくなり児童書の面白さに気付くこともあります。
結末や続きが気になる児童書を、あえて冒頭部分だけ読み聞かせしてみましょう。
児童書を読み聞かせする場合は、あらかじめ途中までしか読まないことを子供に伝えておきましょう。
そして続きをせがまれても、決めた区切りを絶対に守るようにしてください。
続きをせがまれる度にダラダラと読んでいたら、子供が自力で読もうとしなくなります。
私は小学生のころ、給食の時間に担任の先生が児童書を毎日1章だけ読み聞かせしてくれるのが楽しみで仕方ありませんでした。
担任の先生が丁度良いところで読むのをやめるため、みんな続きが気になって、昼休みにはその本の取り合いをしたこともあります。
大人が児童書の導入部分を読んで橋渡ししてあげることで、子供が抵抗感をもたずスムーズに児童書を読めるようになりますよ♪
こちらの記事では、小学生に読み聞かせする時のポイントについて詳しく解説していますのであわせてチェックしてみてください!
初めての児童書におすすめ!読みやすい人気本3冊
初めての児童書におすすめな人気作品を3冊ご紹介します♪
文章を読むのが苦手な子でも読みやすい作品を厳選しました!
どれも、私が司書をしていたときに子供たちに人気だった児童書です。
大人の私が読んでも、つい時間を忘れて読み進めてしまうような面白さがありました!
さっそくそれぞれの本の内容やおすすめの理由を詳しくご紹介していきますね。
挿絵が楽しく低学年から読めるもりのへなそうる
「もりのへなそうる」作:わたなべ しげお 絵:やまわき ゆりこ【福音館書店】
5歳と3歳の男の子兄弟が、森の中でふしぎな怪獣「へなそうる」に出会う物語です。
「へなそうる」のかわいい勘違いや言いまちがいに子供は大爆笑で、大人も思わずくすっと笑ってしまいます。
楽しい挿絵がいっぱいで、初めて児童書にチャレンジする小学校低学年におすすめの1冊です。
4章立てになっているため、まずは1章だけ大人が読み聞かせをしてみるのもいいかもしれませんね。
私は司書をしていたころ、子供に1章だけ読み聞かせた後、私自身も続きが気になりこっそり読んだことがあります。
ほっこりとやさしい気持ちになれる読み物で、寝る前の読み聞かせにも最適です♪
物語が苦手でもつい読み進めたくなる怪談シリーズ
「怪談オウマガドギ学園①真夜中の入学式」編:怪談オウマガドキ学園編集委員会【童心社】
このシリーズは「物語は読まないけれど、空想・伝説・SFなどには興味津々」といった好奇心旺盛な子供におすすめです♪
1つずつのお話が短く、長い文章を読むのに慣れていない子供でも読みやすい構成になっています。
ほとんどの見開きにイラストが描かれていることで、楽しみながらサクサク読み進められますよ。
私が司書をしていた頃は、特に中学年の男の子に人気がありました。
ハマるとかなり面白いようで、休み時間のたびに図書館で1話ずつ読んでいく児童もいましたよ。
しかし、ポップな表紙に反して中身はけっこう本格的な怪談ですので、怖いのが苦手な方は気をつけてくださいね(笑)
小学生に大人気!アニメ化もされたふしぎ駄菓子屋銭天堂
「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」作:廣嶋玲子 絵:jyajya【偕成社】
「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」は、全国学校図書館協議会の選定図書にも選ばれている小学生に大人気のシリーズです。
2022年にはあまりの人気ぶりにTVアニメ化もされています!
駄菓子屋を舞台にしたふしぎな物語で、読書が苦手な子供でもスラスラ読めると好評です。
私が司書をしていたときも、このシリーズは常に予約待ちになるほど子供たちに人気でした!
クラスで読んでいる子も多いため、友達との共通の話題として盛り上がれそうですね♪
巻数が多いので気に入ったらどんどん自分で読み進められるのもおすすめなポイントです。
中・高学年で初めて児童書にチャレンジするなら、ぜひ読んでほしいシリーズですね。
まとめ
- 絵本の読み聞かせを小学生以降も続けることで学力や精神面での成長につながる
- 小学生になっても絵本を読むことには勉強の息抜きになるなどのメリットがある
- 絵本は何歳まで読んでも大丈夫なため、子供が自分から絵本を卒業できるまでは見守ることが大切
- 寝る前の読み聞かせは安心感をもたらしてくれるため、小学生になっても子供にお願いされたら読んでOK
- 寝る前の読み聞かせには心が落ち着く絵本を選ぶと子供がよりリラックスできる
- 絵本から児童書へのスムーズな移行には、読みやすい本を選んであげる、本の冒頭部分を読み聞かせするなど、大人のサポートが必要
- 挿絵が多い『もりのへなそうる』は初めて児童書にチャレンジする低学年におすすめ
- 『怪談オウマガドキ』シリーズは、空想やSFが好きな中学年に人気のシリーズで、物語が苦手な子でも楽しめる
- 『ふしぎ駄菓子屋銭天童』は、TVアニメ化もされている人気シリーズで、初めて児童書を読む中高学年におすすめ
絵本の読み聞かせに年齢制限はなく、子供の読みたいという意思を尊重することが何より大切です。
私は大人になった今、絵本の価値を再認識しています。幼い子供だけが読むものと決めつけず、大人も一緒に楽しむ気持ちを持ちたいと思いました。
絵本を読み続けているからといって、子供の成長にとってマイナスになることは決してありません!
でも読み聞かせしたいと思っても義務感にとらわれてしまうとしんどいのでプロのナレータにおまかせしてはどうでしょう。
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