絵本を手作りするときは、始めにレイアウトを整えることで製作がスムーズになり、読みやすい絵本に仕上がります!
レイアウトの基本となる「文章とページめくりの方向」「絵本のサイズ」「ページ数」の3点を確認することで、完成度の高い絵本になりますよ。
せっかく作った世界に1つだけの絵本ですので、何度でも読み返して大切にしたいですよね。
私の姪っ子は以前、知人から手作り絵本をプレゼントされていました。
我が家でも話題になるほど完成度が高く、姪っ子も気に入って何度も読み返していましたよ。
私も手作り絵本に挑戦したいと思うものの、素人が作るクオリティで喜んでもらえるのか不安な気持ちがあります。
そこで今回は、手作り絵本のレベルがグッと上がる基本のレイアウト3選と作り方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください♪
絵本を手作りするときにおさえたい基本のレイアウト3つ
絵本を手作りするときにはまず「レイアウト」を整えることが大切です。
レイアウトを整えることで絵本作りがスムーズになり、読みやすい絵本に仕上げられますよ。
先にレイアウトを決めておくと、スムーズに制作できるね。
手作り絵本の基本レイアウトには、以下の3つの要素があります。
私は今まで、手作り絵本は紙にイラストと文章を描いて束ねるだけで作れると思っていました。
しかし、より読みやすく完成度の高い絵本に仕上げるには、最初にレイアウトを確認することが大切だと分かりました!
上記3つの要素にはルールや目安を参考にすると良いものもあるため、1つずつ詳しくご説明していきます♪
文章とページめくりの方向を統一すると読みやすくなる
1冊のなかで「文章とページめくりの方向」を統一させると読みやすい絵本に仕上がります。
文章をたて書きにするか、よこ書きにするかでページをめくる方向に決まりがあるため、チェックしておきましょう。
- たて書き:右開き、ストーリーは右から左へ進む
- よこ書き:左開き、ストーリーは左から右へ進む
分かりやすいように図に表してみましたので、参考にしてみてください♪
「右開き」とは、表紙の左側を開いて、右にページを移すことです。
私は最初、「右開き=表紙の右側を開くこと」だと勘違いしていました。
出版業界で当たり前のように使われている言葉でも、一般の人にとっては難しいですよね。
文章とページめくりの方向が合っていないと違和感のある絵本になってしまうため、注意したいポイントです。
加えて、たて書き・よこ書きが混ざるのもNG。読む順番が分からなくなってしまうよ。
一般的に「たて書き」は、昔話や児童文学をもとにした日本語の文章の絵本に多く、外国の絵本は「よこ書き」が主流となっています。
とはいえ必ずしも日本文学はたて書き、外国の絵本はよこ書き、といった決まりはないため、作りたい絵本のイメージに合わせて選ぶといいでしょう。
文章とページめくりの方向は、絵本のレイアウトで特に大切な要素です。
まずは、たて書き・よこ書きのどちらにするかを決めて、ページめくりの方向を明確にしておきましょう!
絵本のサイズに正解はないため自由に決めてOK
絵本のサイズに正解はないため、縦横比などは気にせずどんな大きさにしてもOKです。
業者に頼まずに手製本で仕上げるなら、印刷や製本がしやすいA4サイズがおすすめですよ。
一般的に、絵本のサイズは「重箱版」(182mm×206mm)が多いと言われています。
これは、累計発行部数1位の絵本『いないいないばあ』と同じ大きさです。
『いないいないばあ』 松谷みよ子 ぶん 瀬川康男 え 童心社
日本で最も売れている絵本と同じサイズにすれば、多くの人に馴染みやすいでしょう♪
とはいえ実際のところ、絵本の大きさはかなりバラバラに作られているようです。
これは、1冊ずつイラストや文字をより効果的に魅せるためのサイズ感にこだわっているからだそうですよ。
株式会社ニシキプリントのサイトには、流通コストを重視する書籍とは違い、絵本は芸術面を大切にしていると書かれていました。
実際に、姪っ子の絵本棚にあった絵本のサイズを測ってみたところ、重箱版サイズに該当するものはなんと1冊もありませんでした!
たしかに絵本棚の収納って大きさがバラバラでスッキリ見えないよね!
既成の大きさにとらわれないからこそ、子どもが楽しめる絵本ができあがるのかもしれませんね♪
初めて手作りする場合はA4サイズがおすすめですが、自分の作りたいサイズがあれば縦横比などは気にせず自由に決めましょう!
ページ数は年齢や本の内容に合わせた24~32ページが目安
ページ数は対象年齢や本の内容に合わせて、24~32ページを目安にしてみましょう。
絵本などの書籍を作るときは、印刷・製本の都合上、ページ数を4の倍数にするのがルールです。
あまりに短すぎるとストーリーが膨らまず、逆に長すぎると子どもが飽きたり、読み聞かせるのが大変になったりします。
最低でも14ページ(見開き7ページ分)以上になるようにし、以下の年齢別の目安ページ数も参考にしてみてください!
数字だけで見ると、かなりページ数が多いような気がしますよね。私も正直、こんなにたくさん描けるのかな?と不安になりました。
しかし書店で購入できる幼児向け絵本には、24ページのものが多くありましたよ♪
- 『きんぎょがにげた』(五味太郎 作/福音館書店)
- 『ねないこだれだ』(せな けいこ 作・絵/福音館書店)
0歳~2歳向けの幼児絵本は、文章と絵が1ページに1つずつ大きく描かれているのが特徴です。
単語とイラストを1ページずつ描くシンプルな絵本には、24ページ程度が適していると言えるでしょう。
一方、32ページの絵本を探してみると3~6歳向けのものが多い印象でした。
- 『パンどろぼう』(柴田ケイコ 作/KADOKAWA)
- 『14ひきのシリーズ』(いわむらかずお さく/童心社)
ストーリー性のある物語を描くとなると、32ページぐらいの長さがちょうど良さそうですね!
初めはページ内におさめることを考えず、ストーリーを決めてからページ割りをしていってもOKです。
次の章からは手作り絵本の製作手順をくわしくご説明していますので、ぜひチェックしてみてください♪
ストーリーを組み立てからイラストを描くとブレにくい
イラストを描き始める前にストーリーを組み立てておくと、内容がブレずに読みやすい絵本に仕上がります!
まずは、どんなお話にするか決めましょう!なかなか浮かばない人は以下のパターンを参考にしてみてください♪
子どもが好きなものごとをテーマにして描くのは王道ですね。幼児向けなら子どもの好きな食べ物などを載せて「これなあに?」などと答える形式にしても良いでしょう。
私の姪っ子は、家族の写真に「これだあれ?」と文章がついた絵本をプレゼントされていましたよ。
最後のページには鏡がついており、自分の名前を答えるようなしかけになっている面白い絵本でした♪
姪っ子は気に入って何度も読み返していたよ。
電車や恐竜、人形など、子どもが夢中になっているものを取り入れるのもおすすめです!
子どもにとって身近な題材を絵本にすると、より気に入ってもらいやすくなりますよ。
また、面と向かって言いにくいことを、絵本からのメッセージとして伝える方法もあります。
「生まれてきてくれてありがとう」「宝物だよ」などの心あたたまるメッセージを込めてみましょう。
ルールを守ることなどを題材にしたお話でもいいね!
ただし、メッセージを込めるときは説教にならないように注意してくださいね。
その他に、子どもとの思い出を描くというアイデアもあります。一緒にお出かけしたことなどを絵本にすると、親子にとって大切な1冊になりますよ♪
描きたいお話が決まったら、次は骨組みを構成していきましょう。次の章で手順をご紹介します!
骨組みを作ると全体像が見えイラストが描きやすくなる!
骨組みを作ることで絵本の全体像が把握でき、この後のイラストを描いていく作業がスムーズになります。
具体的には、どのページにどんな内容を載せるかという絵コンテのようなものを作るイメージです。
紙1枚にまとめて全体の流れを描く方法と、実際の大きさ程度の紙に見開き1ページ分を描く方法の2種類があります。
この方法は細かいイラストの下書きはできませんが、全体の流れが把握しやすいメリットがあります。
イラストを描くのに慣れていて、ページ割りをしっかり確認したい場合におすすめのやり方です♪
反対にページの構成が単純でほとんどイメージできている場合は、実際の大きさ程度の紙に描いていくのが良いでしょう。
24ページの絵本を作る場合、見開きは12ページのため12枚の紙を用意します。
実際の大きさに近いサイズの紙に描くことで、思ったよりも余白ができたり、詰めこみ過ぎたりしていることが分かりますよ!
絵心のない私は、この方法でイラストを大きく描くことの難しさを実感しました。
小さく描くと上手く見えるのに、大きく描くとバランスがとりにくいよ・・・。
イラストの試し描きも兼ねたい人は、実際の大きさに近い紙で骨組みを作ってみましょう!
イラストを描いてから文章を入れるとバランスが取りやすい
イラストを描いてから文章を入れる流れで作成するとバランスが取りやすくなります。
描く場所をイメージしていても、いざ描いてみるとバランスが悪かったり、イラストを足したくなったりする場合もあります。
まずは、全ページのイラストを描き、その後に文章を入れるようにしてみましょう。
手製本の場合、描いた紙がそのまま絵本のページになるため、分厚い画用紙を使いましょう。
業者に製本をお願いする場合は、データ化するためコピー用紙などの薄い紙でOKですよ。
文章を入れる方法は、手書きで直接書き込む以外のやり方もあります。
おすすめは、スキャナーで読み取ったイラストにパソコンで文字を打ち込む方法です。
スキャンはコンビニのコピー機でもでき、読み取ったデータはスマホやUSBに送れます。
パソコンに取り込んで編集するだけなので、手書き文字に自信がない人はぜひやってみてくださいね。
さらに簡単な方法だと、ラベルシールに文章を印刷して貼り付けるやり方もありますよ。
- 手書きで書き込む
- スキャナーでデータ化し、PCで打ち込む
- ラベルシールに印刷して貼り付ける
私は手書き文字に自信がないため、パソコンで簡単に入力できる方法が分かって嬉しいです♪
パソコン入力だと雰囲気に合わせてフォントを変えることもできますね!
また、ネットにはさまざまなラベルシールが販売されています。イラストに被る位置に文章を入れたい場合には透明なラベルシールも便利ですよ!
収納時に目を引く表紙にするには色とデザインがカギ
表紙の色とデザインにもこだわることで、収納時に目を引く絵本になり、何度も手に取って読んでもらいやすくなります。
一般的な絵本の表紙の作り方は、イラストの1場面を載せ、タイトル・作者名を書き込むだけでOKです。
ただし、本棚の中で他の絵本に埋もれず、手に取ってもらいやすくするためには、色とデザインにもこだわってみましょう!
- 表紙ページ全体に色をつける
- フォントや色を工夫してタイトルを目立たせる
- 一番印象的な場面のイラストを載せる
あなたが書店で気になる本を見つけてその場で購入できなかったとき、あとから思い返しやすいのがどんな本か考えてみてください。
きっとタイトルよりも「表紙が青色だった」「ゴールドの文字色だった」などという色やデザインにまつわる情報が頭に浮かぶのではないでしょうか。
タイトルをまだ読めない子どもにとっても、色やデザイン、イラストなどの情報が印象に残りやすいといえます。
実際に、私の姪っ子が特に気に入って読んでいる絵本は表紙のインパクトが強いものばかりです。
大人でいう「パケ買い」みたいなものかな?
何度もくり返し手に取って読んでもらうためには目を引く表紙デザインにもこだわりましょう!
製本はクオリティの高いネットプリントがおすすめ
製本は、クオリティの高い絵本に仕上がるネットプリントがおすすめです。
自宅で製本する場合、綴じ方にもよりますが、綴じ紐・ボンド・製本テープ・カッター・カッター板などの道具をそろえる必要があります。
また、クオリティの観点からもハンドメイドでできる範囲には限界があります。
私は以前、かなり頑張ってイラストを仕上げたのに、製本が上手くいかず落ち込んだ経験があります。
せっかく内容にこだわっても、最後の製本がきれいにできないと一気にテンションが下がりますよね。
そのため、パソコンとネット環境があるならネットプリントを利用するのがおすすめです。
私が個人的に利用して良かった「しまうまプリント」のサービスをご紹介します!
株式会社しまうまプリントは、ネットでのアルバム制作や写真・年賀状などの印刷を請け負っているメーカーです。
私は、自分の結婚式の写真をハードカバーで作成したことがありますが、仕上がりに大満足でした♪
ハードカバー製本だと1冊1,000円以上かかってしまいますが、自宅での製本に必要な道具を買い揃えるのとあまり変わらないと感じましたよ。
むしろ手間をかけずに高クオリティに仕上がって嬉しい♪
表紙カラーは15色から選べるため、子どもの目を引く色使いにしてみるのも良さそうです!
手製本よりも簡単で、早く確実に仕上がるネットプリントをぜひ利用してみてください♪
製本の手間がかからない手作りキットも人気
絵本を手作りするなら、製本の手間がかからない手作りキット『白い絵本』も人気です。
画材用紙などを販売している株式会社ミューズの商品で、説明書に沿って誰でも簡単に製本できます。
大きさの揃ったまっさらなページが用意されているため、自分で画用紙を用意したり、大きさを切り揃えたりする必要がないのが嬉しいですよね!
株式会社ミューズ「白い絵本」
私は表紙がハードカバーになっているのも絵本らしくて良いと思いました♪
本格的な製本を体験できる点も、絵本好きの大人にはたまらない商品ですね!
手作りのチープ感が気になる人は、こちらのキットを使ってクオリティの高い手作り絵本を作ってみてはいかがでしょうか。
ネットには他にも、すでに製本済みのホワイトブックなどもあります。
いきなり絵本を1から作るのが難しいと感じる人は、これらのアイデアグッズを活用してみるのもおすすめですよ。
まとめ
- 絵本を手作りするときは、始めにレイアウトを整えることで製作がスムーズになり、完成度の高い絵本を作れる
- たて書き・よこ書きとページめくりの方向を統一させると違和感のない読みやすい絵本になる
- 絵本のサイズは重箱版(182mm×206mm)が主流だが、イラストや文字を効果的に魅せる大きさを自由に決めてOK
- 絵本のページ数は、0歳~2歳向けなら24ページ程度、3~6歳向けのストーリー性のあるお話にするなら32ページ程度がおすすめ
- 絵本の内容は、子どもの好きなものごと・伝えたいメッセージ・子どもとの思い出などをテーマにすると考えやすい
- 骨組みは、全体像がつかみやすい1枚の紙で作る方法と、イラストのバランスを確かめやすい見開き1ページで作る方法の2通りがある
- イラストを描いた後に文章を入れるとバランスがとりやすく、手書きするのが苦手な人はパソコンで打ち込む方法もある
- 表紙の色使いとデザインにもこだわることで収納時に目を引き、何度も手に取ってもらいやすくなる
- 製本は、手間がかからずクオリティも高く仕上がるネットプリントがおすすめ
- 市販の手作り絵本キットは、製本が簡単にできるものや製本済みのものがあり人気
絵本を手作りするなら、描きたい内容・対象年齢にあわせてまずレイアウトを決めましょう。
私は今まで、絵本はイラストと文字を描くだけだと思っていましたが、最初に全体の流れやバランスを整えることで読みやすさが変わることを知りました!
また、手軽なネットプリントや製本済みの絵本を活用することも、絵本作りを楽しむ工夫ですね♪